あさドラ『#スカーレット』における緋色の研究(その二)

【化合物と色の科学】 (その一からの続きです)周期表を眺めていると多くの元素にもいくつかの分類があり、そのなかに「遷移元素」*1と呼ばれる一群があることがわかります。中でも原子番号21のスカンジウム(Sc)から同29の銅もしくは30の亜鉛までは第一遷移…

あさドラ『#スカーレット』における緋色の研究(その一)

NHK連続テレビ小説『スカーレット』が終わり一月余りが過ぎようとしています。陶芸作品をはじめとする芸術作品が人の心を豊かにする一方で、個人的にはその作り手の葛藤や苦悶が「熱量」として伝わってくるようでした。そもそもこのブログでドラマのレビュー…

ヒスイカズラの翡翠のひみつ

早春の3月頃から花の見頃を迎える熱帯植物にヒスイカズラという植物があります。ちょうど3年前のこの時期に福島県いわき市の水族館「アクアマリンふくしま」で開催された「めひかりサミット」*1に参加した際、初めてこの花を目にしました。 ヒスイカズラ、…

明滅する一筋の光が我々にみせたもの ~木下一彦さんの追悼に代えて~

間もなく三ヶ月が過ぎようとしていますが、早稲田大学の木下一彦教授が南アルプスで遭難されお亡くなりになられたとの、余りに突然のニュースに正直驚きを禁じ得ません。いまはただ謹んで哀悼の意を表すとともに、御家族さま並びに関係者の皆さまにはお悔や…

君は構造色

カメレオンの体色の変化が構造色によることが話題となりましたが、そのメカニズムは?フォトニック結晶ってどんなもの?に関連してまとめました。

ヘンリー・モーズリーを偲ぶ

次の図は、一昨年柏のベクミルさんのシンチレーションスペクトロメータで測定させて頂いた、マントルに含まれるトリウム系列の放射性物質の放射性壊変に伴って放出されたγ 線のスペクトルです。 霧箱実験の際にα線を見るためにしばしば用いられるマントルで…

スペクトルを見てみよう!

震災ならびにそれに伴う原発事故以来、「スペクトル」という単語を耳にする機会が増えました。しかしながら、いまだに「馴染んだ」というほど浸透したとも思えません(まあ、知らなければ困る類のものでもありませんが)。そこでちょっと手軽に「スペクトル…

シンチレックスの報道に紫外線で光る写真は必要なのか?

最初にシンチレックスについて報じられてから、ちょうど3年が経過した。これまでTwitterでたびたび言及してきたが、この機会に改めてこの件に関してまとめてみたいと思う。 【シンチレックスとは?】 さて、そのシンチレックスであるが、今から3年前に「産…